リレー連載 第12回 立花夕月役/会沢紗弥&OPテーマアーティスト/MARiA(GARNiDELiA)

――ついに第1話が放送されましたが、率直な感想はいかがでしたか?

 

会沢 アフレコが終わった状態で改めて第1話を見ると、思った以上に夕月が積極的でびっくりしました。でも、決して他人の領域にずかずか入り込むわけではなく、珠彦のお世話をするためだったり、落ち込んだ珠彦を気づかうためだったりと、全部の行動に思いやりが感じられて。これが夕月の魅力なんだなって改めて実感しました。

 

MARiA それが夕月のすごいところですよね。原作でも何度か出てきましたけど、まさに「春の嵐」という言葉ぴったり。普通だったら尻込みするところでも、誰かを心の底から助けたいという気持ちで愛情をもって体当たりで接することができるんです。そのたくましさこそ女性の強さだと感じますし、私もこんな女の子になりたいなって憧れます。

 

会沢 わかります! 「憧れの人は誰ですか」って聞かれたら、「立花夕月さんです!」って即答します。それくらい人としての欠点がないというか……。

 

MARiA 料理も上手だし、掃除も完璧だし、なんでもできちゃう。珠彦が全然心を開いてくれなくても、めげないですからね。この心の強さは見習いたい!

 

――珠彦の印象はいかがでしたか?

 

会沢 台本を読んだ段階で、「珠彦、暗いなー」って思いました(笑)。

 

MARiA あはは(笑)。

 

会沢 どん底の状態から始まりますし、小林(裕介)さんのお芝居も想像以上にぼそぼそとした喋り方だったので。小林さんがアフレコ現場で「珠彦、嫌われないかな」とおっしゃっていたのも印象的でした。ただ、最初はちょっと暗いと思われるかもしれませんが、彼の成長物語でもあるので、共感できるポイントがたくさん出てきますし、きっと見守りたくなるんじゃないかなと思います。

 

MARiA 珠彦はどんどんかわいくなっていきますよね。第1話でも夕月の前で照れちゃうところがあって、シャイでかわいいなって思いました。

 

――第1話で特に好きなシーンを教えてください。

 

会沢 囲炉裏でホットミルクを飲むシーンです。夕月は人の心を開くのが上手なんだなって感心しました。ここにくるまでの不安を吐露して、その上で珠彦がいかに優しいかを挙げて珠彦を気づかうんです。気づけばお互いの気持ちを伝え合っていて。この瞬間、二人の関係が始まったんだなと思いました。お気に入りのシーンなので、私もアフレコの前日は必ずホットミルクを飲んでいました。

 

MARiA かわいい!(笑) それでいうと私は夕月の髪の毛が爆発するシーンですね。そこで初めて珠彦が笑うんです。

 

会沢 ああ~! いいですよね~。

 

MARiA 珠彦の笑顔も素敵だし、何より「笑うとそんなお顔になるのですね」って喜ぶ夕月がかわいくて……。そのあと、せっかく距離が縮まったのに一瞬にして距離を離すところも面白かったです。

 

会沢 お風呂から投げ出されましたからね(笑)。

 

MARiA そうそう、急にコミカルになるのがかわいかったです。

――そして、本作のOPテーマ「オトメの心得」(先行配信中)はGARNiDELiAが担当されています。とてもかわいらしい楽曲ですよね。

 

MARiA GARNiDELiAって戦闘ものとか強めのアニメ主題歌をやらせていただくことが多くて、恋愛ものの主題歌は今回がほぼ初めてだったんです。なので最初に原作を読ませていただいたときは、かわいい作品だなと思いつつ、どうやってその雰囲気を歌詞に落とし込むか、すごく考えました。ただ、女子として共感できるポイントや好きな場面がたくさんあったので、作品に入り込みやすかったですし、歌詞も書きやすかったです。

 

――楽曲の方向性に関して、アニメサイドから何かオーダーはあったのでしょうか?

 

MARiA 大正時代という時代背景から大きく外れないことと、生楽器や管楽器が入った楽しくハッピーな雰囲気にしてほしいというオーダーをいただきました。とにかくテンションの高い楽曲を求められているんだろうな、と。歌詞は、最初から夕月の気持ちを反映して書くつもりでした。夕月のまっすぐな思いや一生懸命さ、それから恋する乙女の気持ちを書けたらいいなと思っていたら、ふと「オトメの心得」というタイトルが思い浮かんできて……。

 

――タイトルが先に決まったんですね。

 

MARiA そうなんです。あとは「乙女」というフレーズも歌詞に絶対入れようと決めていました。作品を象徴するキーワードですし、「乙女」という言葉から広げていきたかったんです。脚本や台本を読ませていただきながら、恋する乙女の心情や立ち居振る舞いを想像して書いていきました。

 

――会沢さんはいかがでしたか?

 

会沢 MARiAさんがおっしゃったように、GARNiDELiAさんが「大正オトメ御伽話」のOPテーマを歌うというのが意外で、びっくりしました!

 

MARiA そうですよね(笑)。

 

会沢 でも、イントロを聴いてすぐ「大好き!」ってなりました。大正時代に迷い込んだような感覚になりますし、MARiAさんの歌い方に明るさとかわいらしさだけじゃなく、芯の強さも感じられて。まさに「春の嵐」というか、夕月のような曲だと思いました。

 

MARiA ありがとうございます! 本当にそうなんです。夕月ってかわいらしい女の子なんですけど、好きな人を守りたい、守られているばかりじゃないという芯の強さがあるので、それは楽曲にも反映したい部分でした。「恋する乙女はかわいいだけじゃないのよ!」というのがこの曲のポイントの一つですね。

 

会沢 恋するパワーが伝わってきました。

 

MARiA 2番は1番よりもよりハッピーな感じの歌詞になっていて、1曲を通して聴くと物語が感じられると思うので、アニメのストーリーと合わせてフル尺も聴いていただきたいです。

 

――オープニング映像の印象はいかがでしたか?

 

MARiA 感動しました! 夕月たちが着ているお着物もかわいいし、色使いも素敵で。ワクワクするような映像を作っていただいてとても光栄です。

 

会沢 この先の展開を示唆するようなシリアスな場面もあれば、原作のカバー裏(本体表紙・裏表紙)を再現したコミカルなカットもあって、すごい情報量でした。

 

MARiA みんなが制服を着ているシーン、面白かった。

 

会沢 そこでなぜか夕月が珠彦を倒すんですよね。原作を読まれてない方にとっては何がなんだかわからないと思いますけど(笑)。

 

MARiA あのシーンはぜひ原作を買ってカバー裏を読んでほしいです。

 

――そして今回、お二人は着物で撮影していただきました。

 

MARiA かわいいお着物を着させていただいて、めちゃくちゃテンション上がりました。前帯にしたんですけど、いろいろな結び方を試してくださったんです。どれもかわいくて、楽しかった~。

 

会沢 場所も素敵でしたよね。結婚式の披露宴で使われるような場所で、自然光たっぷりに撮っていただいて。実はソロでも別のお着物を着させていただいたんですが、それとはまた別の華やかさがあって本当に嬉しかったです。

 

――お二人はこの撮影がはじめましてだったんですか?

 

MARiA そうなんです。なんてかわいらしい方なんだって思いました。

 

会沢 ありがとうございます……! MARiAさんは初対面とは思えないくらいお話ししやすい方で、とても楽しく撮影できました。

 

MARiA 「自然にお喋りしているカットがほしいから喋ってください」って、突然言われたよね(笑)。

 

会沢 ありました~!

 

MARiA 「何喋ろっか?」なんて話しながら、でも楽しくお話しできていい撮影になりました。

――では最後に、読者の方へひと言メッセージをいただけますか?

 

MARiA これから珠彦と夕月がどんどん成長し、二人の愛情が深まっていきます。私も作品を楽しませていただきながら歌詞を書きましたので、楽曲とともに楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

会沢 「オトメの心得」の歌詞にもある通り、笑みを絶やさない夕月、でもこっそり泣いちゃう夕月が描かれていきます。その夕月がどのように珠彦と関係性を深めていくのか、優しく見守っていただけたら嬉しいです。まだまだ登場してないキャラクターもたくさんいますので、そちらも楽しみにしていてください。